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297号「新政権はもっと国家戦略的発想をもって政権運営にあたるべきではないか」

オピニオンレター297号 平成21年12月9日

 浪人生活を始めるに当たっての諸整理、身内の不幸、引越しなどのために、オピニオンレターを書く時間の余裕と気力を失っていましたので、大変ご無沙汰いたしましたが、再開することにしました。今後もご笑覧のほどをよろしくお願いします。

「新政権はもっと国家戦略的発想をもって政権運営にあたるべきではないか」

 新政権が誕生して3ヶ月余り経ちましたが、ここまでの政権運営を見てみると、あまりに国家戦略的発想に欠けているように見えて、危機感を感じております。

 言うまでもなく、激動する世界情勢の中で国益を守っていくには、極めて戦略的な政権運営がなされなければなりません。世界各国はそれぞれの立場で、あらゆる情報を集め知恵を絞って、どうやってこの激動の中を生き延び、且つ将来における有利な立場を確保するかに必死の努力を続けています。

 一方日本の現状は、新しく誕生した民主党政権は、二言めには、マニフェストに書いてあるということを持ち出してみたり、どうやって自民党政権との違いを打ち出すかといったことを最優先にしたりしていて、その姿勢には、国家百年の計を視野に入れた発想が全く窺われないのは極めて残念です。

 政策の根幹をなす予算に関しても、ただひたすら無駄を省くということに焦点を当てていて、世界の情勢を見据えた戦略的発想で予算の編成に当たっているとはとても思えない様子です。

 国家戦略的視点に立って立案すべき政策は、外交安全保障政策はもちろんのこと、その他にもエネルギー政策、科学技術政策、文教政策、農業政策、食料政策、環境政策、観光政策など枚挙に暇がありません。

 新政権の目玉の一つとして国家戦略室なるものを設置しておりますが、少なくとも現時点までのところ、これが機能している様子はまったくありません。

 かねてから私は新憲法の制定の必要性を強くアッピールするために、例えば新憲法制定促進議員同盟の幹事長を務めてまいりました。また国会では衆議院の憲法調査会の理事の立場で新憲法制定を現実のものにするための環境整備、具体的には新憲法に明記されている改正手続きの内、国民投票に関する法律ができていないという状況が戦後ずっと続いておりましたので、国民投票法を成立させることが早急の課題であるとの認識から、これにまず全力をあげて取り組みました。採決に当たっていささかのごたごたがありましたが、最終的には施行まで3年の猶予をもたせて、その間に必要な事項、(例えば投票年齢を18歳にするための民法をはじめとする諸法律の整備)、の議論を煮詰めるということで国民投票法が成立したのです。しかしその後、審議の場として設置が国会法の改正で決められたにもかかわらず、当時の野党の党利党略のためにこれがたな晒しになり、審議会の設置は解散直前にやっと しかも衆議院だけに実現しただけでした。その結果、今日まで何も議論されないまま来年5月には国民投票法が施行されることになっています。

 それはそれとして、前回の総選挙に当たって、憲法問題が全く取り上げられなかったということは、極めて遺憾なことでありました。このことの責任は自民党にもあると思います。

 憲法問題はまさに国家戦略の基本であると思います。憲法改正問題を抜きにして国家戦略を論じることはできないと思います。

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前衆議院議員
愛知和男