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289号 「いわゆる居酒屋タクシー問題について」

「いわゆる居酒屋タクシー問題について」

夜遅くまで残業した官僚が帰宅時に利用した馴染みのタクシーから、ビールなどをはじめとするサービスを受けていたことが社会問題になっている。確かに好ましいことではないことはもちろんであるが、このような問題が発生した根本的な原因についてあまり議論されていないので、事実を明らかにしたい。

根本的原因は官僚の残業にある。終電に間に合わない時刻まで残業することがいわば常識になっているのはなぜかといえば、国会に原因があるのである。

国会の委員会での議員の質問に対する答弁の準備に膨大な時間がかかっているのである。

委員会での質問は主として野党の議員が行うのが慣例となっているが、野党からの質問に対して、答弁に詰まったりして国会運営上影響が出てくることを恐れる官僚は、万全の準備をしようとする。

まずもって質問内容が判明するのは、委員会が開かれる前日で、しかも質問者がなかなか質問内容を教えてくれないケースも多い。ようやくわかった質問に対する答弁を役所のなかでまず作成するのであるが、担当部局が複数にまたがる場合も少なからずある。関係部局間の調整を経て答弁案がまとまると、これを関係する他の役所に回して了解をとらなければならない。すんなりいけばいいが、異論が出てくるとその調整に時間がかかる。

このような理由で、役人の残業が深夜に及ぶのである。

解決策は明確である。

委員会の場で、質問にすぐ答えられなければ、後日改めて回答するということが許されるようにすれば済むのである。野党がこれを許さないのが根本的な問題なのだ。

委員会で質問する者には、質問内容とそれに対する役所の回答を議事録に残したいと言う思いがある。議員活動の実績として記録に残したいということである。これは理解できないわけではない。後日改めて回答するということでは議事録に残らないので、質問者はあくまでも委員会の場での回答を要求するのである。

これに対しては、アメリカやイギリスなどで採用されていると聞いている方式、すなわち書面での回答を議事録に残すというやりかたを採用すればこの問題は解決する。

こういった方策を採用することにより、官僚の残業時間を大幅に短縮することが可能になると思われる。

居酒屋タクシーけしからんと怒っているだけでなく、これを機に、国会審議のあり方を見直すところまで切り込む必要があるのではないか。