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287号 「後期高齢者医療制度の廃止法案を提出した民主党の不見識」

民主党は参議院に後期高齢者医療制度を廃止する法案を提出した。
不見識も甚だしいと言わざるを得ない。民主党はあくまでも政局優先、パフォーマンス優先の政党であることを改めて証明したことになった。
なぜならば、民主党は、この法案は参議院では可決されるだろうが、衆議院では可決される可能性はない、即ちこの法律は成立する可能性がないから国会に提出したという責任政党としてあるまじき行動をとったのである。
そもそも後期高齢者医療制度が導入されるに至った経緯のなかで、最も大きな推進力になったのは、被用者保険組合からの要請だった。
従来の老人保健制度に支援金として多額の資金を提供していた被用者組合から、いつまで、どれだけの支援を続けなければならないのかという強い不安があって、その不安を解消することが大きな理由で出来た制度であることは、前回のこのレターで述べた通りである。
廃止されたら一番困るのは被用者保険組合なのである。民主党の最大の支持母体である「連合」は廃止に賛成するはずがない。成立するはずがないので、政治的パフォーマンスとしてこの法案を提出させてほしいと「連合」に頼みこんで今回の法案提出になったことは明々白々である。こういった行為は政党としては厳しく批判されなければならない。責任政党としての資格がないことを白日のもとに晒した結果になったと思う。
国民皆保険というのはすばらしいことではあるが、この制度は国民に責任も求めているのである。即ち、日頃から健康に留意して出来るだけ病気にならないように気を付ける義務である。国民皆保険であるから、例えば暴飲暴食を重ねてその結果病気になれば、保険制度のお世話になる、つまり国に負担をかけるということになる。簡単に許されてはならないことであると言えよう。
学校教育で、病気にならないように務めることは、日本国民としての義務のひとつであることを叩き込む必要があるのではないか。
このことは若者だけに言えることではない。高齢者にも同様なことがいえるはずである。
転んで骨折などをしないように気をつけるとか、高齢者もすべきことは多いはずである。
保険制度は、基本的には、いくら個人が努力をしても病気に罹ってしまった人、あるいは高齢のための老化現象の故に医療を受けることになった人、先天的な難病の類などに罹っている人、などの人々のためにある制度だと言って過言ではないのではないか。
高齢者医療保険制度に関する議論が喧しい昨今、表面的な議論に終始するのではなく、医療保険制度の基本に立ち返って、制度の充実を目指すべきではなかろうか。