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284号 「自衛隊のイラク派遣についての違憲判決について」

オピニオンレター 284号 平成20年4月25日

「自衛隊のイラク派遣についての違憲判決について」

4月17日の名古屋高裁は、航空自衛隊のイラクにおける活動について、首都バクダットをイラク特措法にいう「戦闘地域」にあたると認定し、航空自衛隊の空輸活動のうち、少なくとも多国籍軍の武装兵員をバクダットに空輸する行為についてはイラク特措法と憲法9条に違反するとの違憲判断を示した。

この日の判決はイラク派遣の差し止めなど原告側の請求を退けながら、派遣自体は違憲と判断し、裁判そのものの結論には直結しない「傍論」の形で憲法判断を示したものだが、裁判では被告たる国が勝訴したために最高裁に上告できないので、憲法違反を述べた傍論だけがそのまま残ってしまう結果になってしまった。こういったことが司法に許されるのかどうか多くの問題を残した判決となった。

憲法改正の議論の中で、日本の司法制度の中に新しく憲法裁判所を設置すべきであるという有力な議論があるが、今回の名古屋高裁の判決はこの議論を加速させることになるだろう。

今回の違憲判断の基本になっているのは、バクダットを戦闘地域としたことにある。

はたして裁判所が現地視察などをしてこのような判断を下すにいたったのだろうか。どうもそうは思えないのである。

また、戦闘地域か非戦闘地域かということは極めて高度な政治的判断を要する。国会でも度々問題になったことである。

このような極めて政治的要素が大きいイッシュウについては、司法は踏み込まないのが原則とされてきたはずである。

どのような思惑から、あえてこのような形で違憲判断を示したのか。司法が超えてはいけない一線を越えてしまったように思えてならない。