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277号 「核保有国になった方が得なのか・・・・」

アメリカは核の拡散を防止することに懸命なあまり、北朝鮮が核保有国になることを極端に恐れて、結局、米朝二国間の協議に応じてしまった。報道によれば、ニューヨークでは北朝鮮の代表団に対して、破格の接遇をしたようである。元首並の警護を付けたり、ミュージカルに招待したり・・・・

世界の標準からすれば取るに足らない小さな国である北朝鮮が、世界唯一の超大国であるアメリカから対等な扱いを受けたということの意義は大きいと言わざるを得ない。

報道陣に接した北朝鮮の代表の、終始ご機嫌だった表情から察するに、米朝交渉で北朝鮮は充分な成果を上げたものと思われる。要するに北朝鮮は核を保有する、あるいは核を保有するという意思を明確に示したことで、明らかに得をしたのである。

このことはアメリカの思惑とは正反対の結果をもたらしたということである。即ち、アメリカは核が拡散することを恐れて北朝鮮との直接交渉に応じたはずが、結果として核を保有することのメリットを世界中に認識させることになってしまったのである。

この結果を見て核を保有しようとする国が新たに出現しないとも限らない。誠に皮肉な結果となった。

核を保有しようとするとひどい目に遭うという結果を出さなければならなかったのである。

核を保有することを容認された国は既にインド、パキスタンなどがある。アメリカのこれらの国に対する姿勢は、最初は厳しく対応したものの、次第に尻つぼみになり、これらの国は、結局、核保有国として世界に認められる結果になっている。

核が拡散することを防止することができないのが現実である。

核については、核拡散防止条約というものがあるが、これは条約ができる時点で既に核を保有していた「米英仏露中」各国の保有は認めるが、それ以外の国が保有することを禁じた条約であるから、そもそも無理がある。なぜ既保有国だけが核保有を認められ、それ以外の国が保有することが認められないのか、の論拠が明確ではないのである。

もちろん世界に核兵器が拡散することを防止しなければならないこと言うまでもないことであるが、現行の核拡散防止条約をもとにしたのでは核拡散を防止できないと言わざるを得ないのが現実なのである。

この問題に日本はどう対処するのか。日本が核保有国であれば、その核兵器を率先して放棄することによって他の保有国に同じく放棄を促すことができるだろう。そして更に核拡散防止より進んだ核廃絶に向かってのイニシアチブをとることができるだろうが、日本は核兵器を保有していない。

それならどうするか。

一般論はさておき、取りあえずは、北朝鮮に核を保有させないために日本は何ができるかを考えなければならない。

北朝鮮に関しては、日本は核問題以外に拉致問題を抱えているので、日本の対応は大変難しくなっている。

六カ国協議で決まったことでも、拉致問題の解決を最優先課題としている以上、拉致問題を脇に置いての協力は出来ないという対応を取らざるをえなくなっている。

いつまでこういった対応を続けられるか、あるいは続けるべきなのか。

まず以て日本は、拉致問題は単なる人道問題ではなく、国権侵害の問題であるとして仕切り直しをすることから始めなければならないのではないか。