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275号 「究極の構造改革」

究極の構造改革―まず道州制の導入、そしていずれ連邦制の導入へ

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

お正月の三が日に、私はかねてから公私にわたってご指導いただいている金子仁洋先生(永年警察官僚として活躍され、中曽根内閣の広報室長、中央警察学校校長をお勤めの後、大学で教鞭をとられ、現在では21世紀臨調の運営委員などの公職をお勤めの傍ら、統治機構論を中心に評論活動を精力的にしておられる方)の近著「地方再興」(マネジメント社)を拝読しました。大きな感銘と示唆を受けたのでした。
金子先生のかねてからのご主張は、日本は一日も早く中央官僚支配体制を改め、地方が主権を持つ名実共に民主主義国家にならなければならないというもので、先生のご主張に私は全面的に賛同するものであります。
私はかねてから、日本は形は立派な民主主義国家の体裁を整えてはいるが、実態は全て中央官僚が牛耳中央官僚支配体制であると実感してまいりました。これは25年に及ぶ私の代議士活動としての実感であります。代議士の仕事の大半は、形こそいろいろに変えてはいるものの、実態は官僚に対する陳情であるからであります。このことは、私は衆議院の憲法特別委員会を初め、国会や自民党の公式の場でも発言したり文章にもしてきています。
発展途上国であった明治維新の頃、先進国に追いつけ追い越せというのが国是であった時代は、強力な中央集権体制を敷いて全て中央官僚の采配で政策が進められていったことは、それなりに大きな意味をもったことは間違いない事実ですが、国家として発展して、もはや発展途上国ではなくなった今、従来と同じ中央集権体制を維持していることは、国家の発展に寄与するどころか大きな障害になっていると言わざるをえません。世界の先進民主主義国の中で日本のような中央集権体制を敷いている国は他にないといっても過言ではありません。
我が国が民主主義体制のもとで将来の発展を期するためには、避けて通ることのできない道が地方分権であり、具体的にはまず道州制を導入すること、そしてその先には連邦制を導入することであると確信いたします。欧米先進民主主義国はほとんど例外なく連邦制の国家体制になっています。
この議論に対しては、天皇制をもとにした日本の伝統に反するという反論が聞こえてきそうですが、日本は伝統的にそもそも地方が藩というかたちで独立したいわば実質的な連邦制だったのです。明治維新によって廃藩置県が強行され中央集権体制になったのであり、中央集権体制の歴史は古くありません。
日本に他国に例を見ない天皇制が維持される限り、連邦制になっても日本国家としての良さがなくなるとは思いません。
連邦制にするには憲法改正が必要ですので、とりあえず現憲法のもとでも可能な道州制を導入して地方分権を徹底的に推進することが現実的なシナリオでしょう。
既にこの動きは始まっています。1993年の国会において全会一致で決議された国会決議で大きく前進しました。決議曰く「・・・・・地方分権を積極的に推進するための法制定を始め抜本的な施策を、総力をあげて断行していくべきである。右決議する。」
それから15年、政界は激動しましたが、この決議の趣旨は、いささかスピードは遅いながら着実に進んでいるといっていいでしょう。(この間の動きの詳細は金子先生のご著書をご参考にされることをお勧めします。)

先の国会では「道州制特別区域のおける広域行政の推進に関する法律」「地方分権改革推進法」が成立しましたし、安倍内閣には道州制担当の大臣が任命されています。いよいよ本格的な動きが始まるといっていいでしょう。
なぜ道州制が必要なのかという素朴な質問がよく出されますが、答えは、日本の未来を切り開くために必要な究極の構造改革は、日本を中央官僚支配体制から解放して名実ともに民主主義国家にすることであり、そのための方策としての道州制なのだということであります。

新年に当たりいささか気負ったオピニオンレターになりました。
今年もよろしくお願いいたします。