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274号 「第165回臨時国会を終えて」

今回の臨時国会は、私にとっては忘れられない国会になった。

第一に防衛庁を防衛省に昇格させる法律が成立したことである。防衛庁長官経験者としてももちろん感慨深いものがあるが、成立にいたるプロセスについても深い感慨をおぼえるものである。
防衛施設庁の多くの不祥事が明るみに出たこともあり、防衛庁自体が、当初は、このような雰囲気のなかで省に昇格させる法律などとても成立させることは不可能だと諦めムードでいっぱいであった。
この雰囲気を打開して道を開くには政治面からの牽引が必要だという認識に立ち、保守新党時代に議員立法として昇格法案を国会に提出したことがある二階俊博代議士(国会対策委員長)と相談して、議員立法として法案を提出しようということになった。そのためには賛同者を集めなくてはならないので、早速私の名前で署名集めを始めたのであったが、この作業を進めるうちに、防衛庁も、これはうかうかしておれないということになり、ようやく重い腰をあげることになったのである。防衛庁自体が本気になれば議員立法をやる必要はなくなり政府提案の法律案として国会に提出された。これを如何にして会期内に成立させるかということになり、正に二階国会対策委員長の腕の見せ所となったが、見事に成立に至ったのは流石という他ない。とにかくこの歴史的出来事に当事者のひとりとして参画できたことは極めて印象深いことであった。

もう一つは観光立国推進基本法の成立である。私は自民党の観光特別委員会の委員長をしているが、42年前に議員立法で成立して今日まで全く改正されてこなかった観光基本法を、時代に即応したものに改正しようということになり、改正法案の立案から国会での成立まで、名実共に第一線に立った。いろいろな経過をたどったが、結果的には会期末ぎりぎりの時点で、全会一致で「観光立国推進基本法」と名称を変えて成立した。
観光というのは、物見遊山の遊びではなく、人口減少時代における日本の経済を支える立派な産業でなければならないし、さらに国際的に観光が盛んになるということは人の行き来が頻繁になるということであり、このことは異文化間の相互理解を促進することにつながり、その先には平和構築があるという、まことに壮大な構想につながるのである。
観光は今後あらゆる分野につながる大きな切り口になると確信する。

一方今国会で残念だったのは、憲法改正に欠かせない手続き法である国民投票法を成立させることが出来なかったことである。私は憲法調査特別委員会の理事をしているので、この案件には深く関わりを持ってきたのだが、自民党と公明党の与党だけの議決で成立させることは避けたいという中山委員長の強い意向があったので、民主党との協議に多大な時間がかかってしまった。民主党は共産党、社民党との野党共闘という政局にこだわり続け、審議を進めることに抵抗し、ただ無為に時間だけが過ぎていった。結局今国会では採決までに至らず、次期通常国会に持ち越されることになったが、流石の民主党も共産、社民両党に気を遣うのも最早これまでと、来年の憲法記念日である5月3日までには成立させることを約束するまでにはなったのであった。
国民投票法が成立すれば、いよいよ本格的な憲法改正のための作業にはいることになる。改正までの道のりはなかなか遠いと思われるが、改正の是非を巡る入り口の議論から大きく前進することになるのは確かである。
憲法の内容の議論は国のあり方の議論であるから、正に国家の基本に関わる議論を始めることになるのである。やっとここまで来ることが出来たか、という思いである。

<今年最後のオピニオンレターです。どうぞ良いお年をお迎えください。>