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271号 「予算編成作業」

「歳出削減の決め手の一つは、予算編成作業のやり方を抜本改正することである。」

財政再建は数ある国内の課題の中で最も重要且つ解決が急がれる課題だといっていいだろう。さらに言えば、最も難しい課題ということもできる。
歳出を削るか歳入を増やすか両方を同時に行うかであり、何もしないうちにいつの間に解決されることはない。もっとも大インフレにすれば表面上は解決するかもしれないが、正しい意味で財政が再建されたとは言えない。

財政の辻褄を合わせるために国債を大量に発行してきて、今やその残高は莫大な量になっているが、国債には金利を支払う必要があるのは当然である。その金利の財源は税金であるから、国民が払う税金の相当部分が、国に金を貸すことが出来る人(国債を買った人)に金利というかたちで支払われることになり、富裕層にどんどん金が集まる仕掛けになってしまっており、このことが貧富の格差の拡大に繋がっているともいえるのである。国債の大量発行は未来の世代にツケを回すことになるからよくないというだけでなく、現世代にとってもよくないことなのである。

単年度の収支がバランスした状態、いわゆるプライマリーバランスがとれた状態にすることが当面の目標になっているが、これが達成されたからといって問題が解決したことにはならないのは多言を要しない。国債の累積残が減っていく状態にしなければならない。
それには大幅な歳出削減だけではとても追いつけないということは自明のことと言っても言い過ぎではないだろう。つまりいずれ増税は避けられないということが自明のことなのである。

しかし、先ず以って歳出削減のための尚一層の努力が求められることは言うまでもない。
去る6月に自民党に歳出削減のためのチームが設置され、各分野にわたって削減が検討されたが、私もそのチームの一員に任命され、削減のための知恵を絞ったのであるが、その作業を通じて痛感したことは、縦割り行政の弊害である。縦割り行政の弊害はかねてから指摘されてきているので、こと新しいテーマではないが、今更ながら改めてその弊害を痛感したのである。
具体的に言えば、ひとつの政策課題に必要な予算がいくつかの省庁にわたって分散されていて、そこに大きな無駄が生じているということである。

そこで私の提案であるが、予算の編成は省庁毎にするのではなく、政策課題毎に改めたらどうかというものである。
予算編成作業に携わる主計官の担当は省庁ごとになっていて、政策課題ごとにはなっていない。予算編成作業の後半で調整はされているとは思うが、後半では限界がある。編成作業の当初から政策課題別に予算編成を行えば、当然無駄もなくなるだろうし、より効果的な予算を組むことができるだろう。
このような体制の変更は法律事項ではないだろうから、財務大臣のリーダーシップによって可能だと思う。

来年度の予算編成の大詰めのこの時期になった今であるから、来年度の予算編成に関してはこのことを指摘しても遅いが、再来年度以降の予算編成作業からぜひともこの仕組みになるように、機会あるごとに提案し続けていきたいと思っている。