前衆議院議員 愛知和男の公式サイト:

ホーム > オピニオンレター > 270号 「日本はいずれ核武装するだろうと思っている人が世界には多いのが現実である」

270号 「日本はいずれ核武装するだろうと思っている人が世界には多いのが現実である」

 先週、あわただしくヨーロッパの何カ国をまわった。立ち寄った国の大使館員から現地の事情を聴取したが、こちらの関心事は核問題であった。即ち日本の非核三原則に対してどのように感じているかという点である。

いずれの大使館でも、任地のしかるべき人々に、日本は将来にわたって核武装など決してしないと言うことを熱心に力説してまわっているとのことであったが、いずれの国においても、日本側の説明にもかかわらず、日本が決して核武装しないということを心から信じてくれるのは3割程度の人であり、それ以外の人は、いずれ日本は核武装するだろうとの考えを持ち続けているということであった。

日本が中国、ロシヤに加えて北朝鮮まで加えた核保有国に囲まれてしまったという事実をふまえれば、日本が自らの安全を確保するためには核武装するのが当然の選択だろう、当面はアメリカの核の傘のもとで安全を確保するという政策を堅持するということであっても、果たしてアメリカが永久に日本に対して核の傘をかざし続けるという保障はないと思っても当然であろう、という訳である。

同時に核不拡散に関する現体制、即ちNPT体制の問題点も根底にあると言えるのではないか。つまり、第二次世界大戦の戦勝国である米英仏露中の5カ国だけには核兵器を保有することを認め、それ以外の国には認めないということが、いかにも説得力を持たないことである。事実、インド、パキスタンは核実験を強行して核保有国になっているし(もっともこの2国はNPTにはもともと参加していない)、北朝鮮もNPTを脱退して核実験を強行したのであって、NPTの効果は着実に低下しているといえる。
北朝鮮が核を保有しないように、アメリカ、中国が説得を試みているがなかなか効果が出ていないのは、NPT体制にそもそもの原因があるといっても過言ではなかろう。

核が拡散することはなんとしても回避しなくてはならないのはもちろんである。しかし現行のNPT体制で核の不拡散を目指すことには無理があると言わざるをえない。それではどうしたらいいか。それこそ唯一の核被爆国としての日本の役割は大きいのではないか。

一時イギリスで核を放棄する動きがあった。もしイギリスが核を放棄したら、そのインパクトは核不拡散にとって極めて大きなものになるだろう。この動きに期待したが、残念ながら今のところ止まってしまっているようである。

日本はまずイギリスに対する働きかけに全力をあげるべきではないか。
日本が核を保有すると思われていながら決して保有しないでいるという事実も、単に日本の問題というだけでなく、核不拡散にも役だっているのだということを、もっと声を大にして喧伝してもいいのではないか。

日本がいずれ核を保有することになるだろうと多くの国が思っているということは、決して日本にとって悪いことではないのである。