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268号 「アメリカ民主党の勝利」

アメリカ民主党の勝利を私は喜ぶが、日本の外交は難しくなるだろう

アメリカの中間選挙で上下両院で民主党が勝利を収めたことを、私は率直に喜んでいる。これによってブッシュ大統領が退任することにはならないが、ブッシュの政治運営に変化が出て来ざるをえないので、其の点に期待している。

具体的にはイラク戦争や地球環境問題などに象徴される、世界に大混乱を与えている外交政策の変更である。あまりにも思い上がりの上に立った一人よがりの外交政策であったと言わざるをえない。一方的に世界をアメリカの味方と敵に分けて進める外交のやりかたは目に余るものがあった。
大量破壊兵器を廃棄させるという大義名分で始めたイラク戦争であったが、結局大量破壊兵器は見つからず、途中からテロの根絶という大義を持ち出して強引に続け、いまや第二のベトナム戦争と言われるほど泥沼化してしまっているのは周知のことである。

今回の選挙の結果、ブッシュ大統領はラムズフェルド国防長官を更迭したが、今後どうやってイラク戦争を終結させるのか、なかなか先が見えない。仮に戦争そのものの幕を引きことができても、この戦争をきっかけにして世界にばら撒いてしまった数々の問題を収拾することは容易なことでない。アメリカはこれから何年もかかって、このためのコストを払い続けることになるだろう。アメリカの衰退が始まったと言えるのかもしれない。

ところで日本であるが、率直に言って小泉首相は実に良いところで退任したものだと思う。
それはそれとして、日本にとっては、伝統的に、アメリカの政権が民主党になるといろいろとやり難いことが多かったには事実である。貿易摩擦は労働組合の支持を受けた民主党政権の時に起こっているし、またクリントンの大統領の日本の頭越し訪中という事件もあったし、北朝鮮との直接折衝に応じ、挙句の果てに、当時のオルブライト国務長官が、訪朝して受けた大歓迎に感激してしまって、大統領本人の訪朝まで真剣に検討されたという。

伝統的に民主党政権の外交は何をやり出すかわからないところがあるのである。日本の首相がただひたすらにアメリカの大統領との個人的な親密関係を築いていれば済むといったものではない。
今回の選挙は議会の選挙であり、政権が変わったわけではないが、二年後の大統領選挙で民主党の大統領になる可能性が高くなったことは間違いないだろう。

その時に備えて、今から日本の外交戦略を充分練り上げておくことが肝心だと思う。

安倍首相の外交方針の基本は「主張する外交」だそうであるが、主張する相手はまずアメリカでなければならない。アメリカに対して、戦略に裏付けられたしっかりとした主張をしていくことがもとめられてくると思われる。

いよいよ日本にとっての正念場が来たという自覚を広く日本国民が持つことがまず求められることである。