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267号 「北朝鮮の核実験にどのように対応すべきか(1)」

 北朝鮮が核実験を行ったと公式に表明して世界は大騒ぎになって、早速、国連安保理の決議になったし、同時にこの問題に関する各方面の専門家によるコメントがいわば出尽くしている感があるが、私なりにいくつかの点を指摘してみたい。

まず北朝鮮がなぜこれほどまでに強硬なのかであるが、私は、クリントン政権の時、北朝鮮の脅しに屈して米朝間の直接交渉が行われ、アメリカのカーター元大統領が訪朝して北朝鮮の言い分を大方飲んだ決着がなされたことが、大失敗だったことを指摘したい。
北朝鮮はこれに味をしめて、また同じこと、即ちアメリカとの直接交渉を今回も強く望んであのような行動をとっていると思われる。再三にわたって北朝鮮はアメリカとの直接交渉を求めているのである。ブッシュ政権はこの点に関しては今までのところ正しい行動をとっていると評価したい。北朝鮮に核を放棄させるために、アメリカは北朝鮮の要求を受け入れて米朝の直接交渉に応じたらいいではないか、という議論が出てくるのを恐れるのである。
断じてこれを許してはならない。再びこの過ちを犯したら、北朝鮮のみならず他国にも波及していくだろう。
北朝鮮を多国間交渉、とりあえずは6カ国協議の場に出て来させることが、当面のもっとも大切な目標である。このことがもっと明確に掲げられる必要があると思う。国連の制裁に関しても、この点が必ずしも明確に示されていないのではないか。前文で触れてはいるが。

北朝鮮は今回の決議をアメリカの宣戦布告と受け止めると表明したが、アメリカ本土を直接攻撃する能力はまだもっていないと思われるから、このことにアメリカは別に驚かないであろうが、問題は日本である。日本にあるアメリカの基地を始めアメリカ関係の施設、或いはアメリカ人が攻撃される可能性が出てきたと言わざるを得ない。このことを踏まえて、日本の世論に、北朝鮮の要求に応じてアメリカの譲歩を求めるような声が出てくることを恐れる。日米関係に亀裂を入れることが、北朝鮮の当面の戦略であろうからである。ついでながら日米関係に楔を入れるという戦略は中国も常に頭に置いていることも忘れてはならない点である。
当面の日本の対処としては、日本にあるアメリカの基地などに対するゲリラ攻撃などを防ぐための方策をアメリカとの協同作戦で準備しておくことが肝心である。
さらに重要な点は、集団的自衛権の問題を早急に解決しておかなければならないということである。集団的自衛権の行使をしないという政府の見解を至急変更しなければならないと思う。今のままでは、万が一アメリカの在日米軍基地などが攻撃された場合、日本は何も出来ないことになってしまうからである。こうなったら、日米同盟関係は決定的打撃を受け、日米関係は破局の道を歩むことになり、北朝鮮の思惑通りになってしまう。
いろいろな意味で日本は、今までにない覚悟が求められていることを、日本人は強く自覚する必要があるのである。